女が階段を上る時 (1960)

華やかな銀座のバーのマダムとして働く矢代圭子と彼女を取り巻く男たちとの人間模様を描いた女性映画。華やかな世界の裏に見え隠れする非情な人間関係と女の虚しい心を描き、公開当時、ヒットを記録した。巨匠・成瀬巳喜男監督の後期の代表作。

監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子、森雅之、加東大介、二代目中村鴈治郎、仲代達矢、小沢栄太郎、団令子、淡路恵子、山茶花究、多々良純、藤木悠

女が階段を上る時 (1960)のあらすじ

銀座のバーで雇われマダムとして働く圭子(高峰秀子)。元部下のユリ(淡路恵子)が出した店に上客をとられ、さらに同じ銀座のマダムの自殺事件に遭遇した彼女は、店を変えて新たに巻き返しを図る。だが、男たちの欲望と金の問題に翻弄される。

女が階段を上る時 (1960)のストーリー

夫に先立たれた矢代圭子(高峰秀子)は、外国人マスターが経営する銀座のバー“ライラック”の雇われマダムだった。よく店に来ていた利権屋の美濃部(小沢栄太郎)が、かつて圭子の下で働いていたユリ(淡路恵子)に店を持たせ、そちらへ頻繁に出入りしているようだ。マスターからはユリのように体を張って売り上げを回復させろと言われてしまう。夫に死なれて、女手一つで生きていかなければならなくなった圭子が、マネージャーの小松の口ききでこの道に入ったのは五年前であった。圭子は、バーの階段を上る時が一番悲しかった。しかし、上ってしまえばその日その日の風が吹いた。ある日、狂言自殺をするつもりだったユリが本当に死亡した。葬儀の席で圭子は美濃部に食ってかかるが、血を吐いて倒れてしまう。酒の飲み過ぎで胃潰瘍にかかっていたのだ。その後、店のマネージャーだった小松(仲代達矢)らと借金で新たに店を持つが、非情なプロに徹しきれずに悩む。実家で療養中に圭子は店の客だった工場経営者の関根(加東大介)、銀行の支店長になる藤崎(森雅之)らと次々に関係を持つが・・・。

関連記事

  1. 乱れる (1964)

  2. 娘・妻・母 (1960)

  3. 笛吹川 (1960)

  4. 妻として女として (1961)

  5. あらくれ (1957)

  6. 華岡青洲の妻 (1967)